神戸市教育委員会は、市立中学校と義務教育学校全82校で制服の共通モデルとなる「神戸モデル標準服」のデザイン4案を公表し、30日まで市立小中学校の児童生徒と保護者から投票を受け付けている。採用は各校の判断だが、同じ制服を増やせば購入時の割安と保護者の負担軽減が期待できる上、男女ともズボンかスカートかを選べるようにすることで性の多様化や機能性向上にも対応する。投票結果を参考に1案に絞り、2~3年以内の導入を目指す。(長谷部崇)
現在、神戸市では82校ごとにそれぞれ制服のデザインを決めている。原材料費の高騰に伴い価格は年々上昇傾向にあり、市教委は2017年度、競争によって安くなるよう複数業者から見積もりを取る「見積もり合わせ」を取り入れたが、効果は広がらなかった。学校の規模によっても違い、男子の制服では学校間の差が最大1・7倍になる。
一方で近年、性別にとらわれないジェンダーレスや防寒への配慮から、女子のズボン着用を認める学校が増え、神戸でも82校中37校と半数近くを占める。
こうした流れを踏まえ、市教委は19年7月、制服のあり方を巡る検討会を設置。20年7月、性の多様性などさまざまな課題に対応した「神戸モデル標準服」の導入が適切とする報告書をまとめた。
アパレルメーカーなど6社が2案ずつ考案し、中学生や保護者、校長の代表らでつくる選定委員会が今年2月、4案に絞った。いずれもブレザータイプで、青いチェック柄の「神戸タータン」があしらわれていたり、夏服をポロシャツかYシャツか選べたりする。
4案のサンプルは30日までの平日、市総合教育センター(神戸市中央区東川崎町1)1階で展示。神戸ファッション美術館名誉館長のコシノヒロコさんも各案にコメントを寄せている。投票は保護者への連絡アプリで受け付けている。
ほかに政令市では、福岡市や北九州市が20年4月、全市共通モデルの制服を導入。いずれもブレザータイプで、性別に関係なくズボンかスカートを選べる。
北九州市では、従来の学校別の制服も選べるようにしている。福岡市は採用を各校判断としたが、市内69校中、詰め襟・セーラー服だった65校は全て共通モデルに切り替えたという。
詰め襟・セーラー服はズボンとスカートを自由に選べないこともあり、神戸市教委の検討会の報告書でも「将来的にブレザータイプに切り替えることが望まれる」としている。
神戸の市立中学校「モデル標準服」4案公表 30日まで投票受付 - 神戸新聞
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