「あんた!(A)いいやん!(I)」と言ってもらえる服を、私たちがご提案します――。障害者の生活支援に取り組むNPO法人が、客の写真に合わせて古着をコーディネートし、格安でネット販売している。どんな服が届くかというドキドキ感が魅力のサービスは、名付けて「AIコーデ」。だが、服を選ぶのは人工知能(AI)ではない。古着店で働く障害者たちだ。その評判はどうなのだろうか。【中村清雅】
福袋のようなゲーム感覚
NPOは「月と風と」(兵庫県尼崎市)。運営するチャリティー古着店「ふくる」(同市)で9月からAIコーデを始めた。古着の購入希望者に自分の写真を送ってもらい、その人に似合いそうな服を選んで発送する。料金は3000円(上着2点)、5000円(同4点)、8000円(同6点と雑貨)と三つのコースがあり、金額に応じて点数が変わる福袋のような仕組みだ。NPO代表の清田仁之(まさゆき)さん(46)は「お客さんもわくわく感を味わえる。ゲーム性もAIコーデの売りです」と説明する。人工知能の英語の略称をもじり、命名したという。
古着を選ぶのは、障害者でもある店員たちだ。車椅子に乗り働く佳山(かやま)明さん(26)は「着る人が喜んでくれる姿をイメージしています」と語る。客の写真をスマートフォンで確認しながら、陳列された古着に手を伸ばしていた。
2006年設立のNPOは、身体障害者の自宅にヘルパーを派遣する生活支援事業に主に取り組む。清田さんが重視するのは障害者の生きがいづくりだ。アートイベントや健常者との交流会を積極的に開催してきた。
古着店の運営は19年4月から。きっかけは、清田さんがかつて介助した重度の身体障害者だ。体はほとんど動かせなかったが、顔の表情を変えることで好みを伝え、着る服を自分で毎日選んでいた。「障害者でも服なら持ち運びが軽く、コーディネートもできる」と思い付き、障害者たちの働く場所を確保するためにも店を始めた。
コロナ下で増える古着の寄付
商品の古着は寄付で賄う。毎月1・2~1・5トンが寄せられ、その中からきれいなものを選んで店に並べる。店頭販売では上着やズボンは1着1000~5000円程度と安価に設定している。19年度の売り上げは約200万円と滑り出しはよかったものの、新型コロナウイルスの感染拡大で20年4~6月は休業した。その後も客足が鈍る一方で、寄付される服の量は増えた。コロナの影響で不要な服の回収を行政が抑えたためとみられる。清田さんは店員の雇用や賃金を維持しようと、コロナ下でも販路を開拓できる今回のサービスを考案した。
サービスを始めたところ、コロナ下で接触を避けて古着の着こなしを楽しめることから売り上げも好調という。脳性まひのため生まれつき手足が不自由な店員の藤原舜(しゅん)さん(28)は「AIコーデではお客さんと直接会えないので不安もあったが、『細身の服で』などと注文の際にメッセージが添えられるので、イメージを膨らませて選んでいる」と話す。利用客からは「自分の体形に合った服をうまく選んでくれた」といった感想が寄せられている。
AIコーデのサービスは10月末で一旦終了するが、その後も期間限定で実施する予定。購入はNPO(06・6493・6965)のホームページから申し込む。
「AIコーデ」であなたらしく 障害者が似合う服を選ぶ古着屋の評判 - 毎日新聞 - 毎日新聞
Read More
Tidak ada komentar:
Posting Komentar