
きっかけは西海岸カルチャーとの出会い
僕は生まれが千葉県木更津市で、目の前に東京湾が広がる港町で幼少期を過ごしました。すぐそばには矢那川が流れていて、海と川が子どもたちの遊び場。干潟で天然のアサリを獲ったり、川や池、田んぼでドジョウを捕まえたりするのが日課でした。 そんな幼少期を経て、中高生になった僕は、アメリカンカルチャーに興味を抱くようになります。きっかけはアイビーファッションの流行でした。 1950年代にアメリカの東海岸で生まれたアイビーファッションは、1960年代に入って日本の若者たちの間でブームを巻き起こします。いわゆるボタンダウンのシャツにブレザーが定番のトラディショナルなスタイルです。 その流れで知ったのが、「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」。1966年にカリフォルニア州サンフランシスコで創業したザ・ノース・フェイスは、「自然と人間の共生」という考えをベースに、ダウンジャケットなどのアウトドア系ファッションを打ち出していました。 この考えの背景には、1960年代のカウンター・カルチャー・ムーブメントがあったんですね。西海岸を中心に、ベトナム戦争(1955~1975年)や環境破壊に反発した若者が戦争反対や自然回帰を訴え、新しいライフスタイルをつくりあげていた。その渦中でザ・ノース・フェイスは生まれています。 僕はこの「自然との共生」という考え方にとても共感したんです。いざ本格的に就職を考える時期に入って、やりたいことはないだろうかと考えたとき、ものづくりの仕事に就きたいと思う自分がいました。同時に頭に浮かんだのが、ザ・ノース・フェイスのことだったのです。 一度関心を持ったら、もう絶対にザ・ノース・フェイスでものづくりの仕事をしたいと思っていましたから、日本での販売を手掛けるゴールドウインに応募。内定をもらったときはうれしかったです。自分と同じ司法書士の道を進むと思っていた父親には反対されましたが、自分の思いを一生懸命伝えたら理解してくれました。 ところが、入社して最初に配属されたのは大阪の子会社の営業所。それも在庫管理、伝票整理といったバックオフィス業務が中心で、ものづくりの仕事とはかけ離れていました。
アウトドア服をおしゃれな街着に変えた「ザ・ノース・フェイス」育ての親の半生(NewsPicks) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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