パリ・メンズコレクションには毎回、多数の日本ブランドが参加する。しかし今年1月に開催された2022年秋冬コレクションはコロナ禍の影響で、各ブランドが現地でのショーを回避。国内でのショーの収録動画や、独自の動画コンテンツでの発表を余儀なくされた。
パンクテイストで若い層から注目されるキディルは東京都文京区の鳩山会館の庭をランウェーに見立てた。花柄のパッチワークやイラストを過剰なほど重ねた服の数々が、洋館の雰囲気とマッチしていた。
パリ参加で順調、80~90年代リバイバルも
パリ・メンズの公式ランウェースケジュールの参加は3期目だが、パンデミックの影響で現地でのショーは実現していない。それでもデザイナーの末安弘明は「パリ・コレの『枠』に入ってから海外の取引先や、SNSのフォロワーが明らかに増えた。大きな意義がある」と明かす。
ベーシックな服を発表し続けるオーラリーは南青山でのショーの模様を配信。80年代から90年代の雰囲気を感じさせるゆったりとしたシルエットや、質感を際立たせたツイードのコートなどに存在感があった。
ホワイトマウンテニアリングも「80年代から90年代のアウトドアの要素」とクラシックなテイストを合わせたという。ビンテージのようなデザインのテキスタイルを前面に押し出した。
実績ある日本勢の動向は
コムデギャルソン、ヨウジヤマモトと並んで日本の「御三家」をなすイッセイミヤケはプリーツ素材を使うオム・プリッセ・イッセイミヤケとして参加。ゆったりとしたシルエットは平面から立体に変化するテントの布が着想源だという。
広い年齢層に人気のサカイは異素材を組み合わせる「足し算」の服づくりが得意だが、今回はショート丈のパンツを合わせたセットアップなどシンプルなスタイリングが新鮮だった。
日本勢は、何らかの違和感を持たせてインパクトを与える服づくりが光る傾向にある。カラーの今回のテーマの一つは「壊れているけど、楽しい」。生地が一部欠損し、裏地をむき出したコートなどを発表した。
また、タークは左側と上部がライダースジャケット、右側と下部がトレンチコートになったアウターを発表。デザイナーの森川拓野は「生地を樹脂でコーティングし、ライダースとトレンチの境界を表現した」と説いた。
コロナ禍以降、パリ・コレに参加していないジュンヤ・ワタナベも動画での発表となった。1996年に大ヒットしたジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」をBGMに、同曲のミュージックビデオに似せてモデルたちが踊る。そしてメキシカンサラペ柄のカラフルな服を見せた。渡辺淳弥は曲やテーマを選んだ理由について「ファッションだけでなく音楽やアートについても、私の中でリバイバルのテーマが続いているため」と回答した。
ファッション界は歴史的に異国趣味を取り込んできたが、近年は各国の文化を尊重しなければ批判されるようになった。このため新作発表時の配布文書でジュンヤ・ワタナベ側は「アイデアを表現するためにメキシコ文化省の協力を得ている」と明記していた。
しかし、同省は新作の発表直…
パリ・メンズ、日本勢の秋冬服 ジュンヤ・ワタナベは「文化」で釈明 [ファッション] - 朝日新聞デジタル
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