「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」をミッションに掲げているアウトドア企業のパタゴニアはいま、新しい挑戦を始めています。それは、製品の原料を100%再生可能で、かつリサイクルされたものを使うこと。日本でもコットン100%Tシャツの回収とリサイクルがスタートしました。
パタゴニア初の循環するTシャツ
コットン100%Tシャツの「ティーサイクル」は、パタゴニア初の循環型製品。原料には、着古したTシャツや使用済みのコットン衣料、工場で捨てられるはずだったコットンが使われています。すべてリサイクル原料で作られたTシャツです。このTシャツもまた、着古したあとはお店で回収され新しいTシャツに生まれ変わります。
Tシャツのデザインは3種類あり、「チェンジブリーズ」は風力発電機の風車がモチーフです。“風の流れにまかせて無駄をなくし、資源の継続的な使用をやめる”というメッセージが込められています。「ユッカフロー」で描かれているユッカは砂漠で生育し、回復力と忍耐の象徴。「スプリングサイクル」は野生のアスターとアキノキリンソウの共に生きる姿から、「競争ではなく、共存」を意味しています。
デザインに込められた「資源の継続的な使用をやめる」というメッセージは、ティーサイクルの製造過程でも実践されています。原料のコットン栽培には大量の水が必要で、土壌を整えて植物を育てることで環境に大きな負荷がかかります。リサイクルすることは、限られた環境資源を使い過ぎないことにもつながるのです。
パタゴニアはこれまでも、ポリエステルや羽毛のリサイクルに取り組んできました。ただ、製造するものはすべて環境に影響を与えてしまいます。重要なのは、すべての素材が使い捨てられることなく循環する仕組みをつくること。そんな思いから新たな一歩を踏み出しました。
誰かが着たTシャツの一部を身にまとい、使った後はまた誰かのものへと巡っていく。捨てられる運命だった素材が、新しい製品へと再生する――。ティーサイクルを着ることで、人のつながりと素材の循環を感じられます。
パタゴニア製のコットンTシャツを引き取る「テイクバックプログラム」は、2021年にアメリカとヨーロッパ、日本で先行して始まりました。2022年7月14日からは、日本の全直営店で実施しています。
「新品よりもずっといい」という価値
パタゴニアではティーサイクルだけでなく、製品の寿命を最大限に伸ばすための取り組みにも力を入れています。地球環境のために、消費を減らすことが最善の方法だとの思いからです。
必要のないものは買わず、いまあるものを長く使うこと。直して使えるものは修理に出したり、不用品の再利用を活用したりすることもできます。その上で使えなくなったら、リサイクルをする。この流れをビジネスとして確立するとともに、長く着るためのプロジェクト「Worn Wear」を通して「新品よりもずっといい」という価値を広めています。
パタゴニアは新しい製品をつくる企業でありながら、つくらないという環境への負荷を抑えた方法で事業を存続させていくことに挑戦している企業でもあります。服をつくって着て捨てる、という一方通行のビジネスを、再利用やリサイクルなどを通して服が循環するビジネスに変えることを目指しています。
服を買うことは、私たちの地球環境への選択でもあります。循環を活動の中心におくパタゴニアの取り組みや製品に触れることで、買うこと、捨てることの意味を改めて考えてみませんか。
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新品をつくらない選択 パタゴニアが挑戦する服の循環 - 朝日新聞デジタル
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