
服飾ブランド「ケンゾー」のデザイナー、NIGOさんが収集した年代物の古着などのビンテージコレクションを紹介する展覧会が、東京都渋谷区の文化学園服飾博物館で開催中だ。NIGOさんにとって「服作りの参考書」という、希少なアイテムを間近に見ることができる。(生活部 谷本陽子)
展覧会のタイトルは、NIGOさんのもの作りのテーマと重なる、「未来は過去にある」。過去の服に独自の解釈を加えて新作を生み出しているNIGOさんが、少年期から35年にわたって収集し続けてきた1910~60年代の服や雑貨約500点を展示している。
見所のひとつが、60年代のカラフルなスエットシャツ約20着を並べたコーナーだ。米国のマンガのキャラクターであるスヌーピーやチャーリーブラウンなどのイラストが、当時のプリント技法で描かれていて、古着好きの注目を集めている。
豊富なデニムの服も面白い。たとえば、20年代に作られたプルオーバーは、袖が直線的に取り付けられていて、武骨な雰囲気が漂う。股上部分にメッセージが刺しゅうされている巨大なジーンズは、米国のデニムブランドが宣伝用に製作し、ロデオ大会でピエロに着用させたものだ。
社会情勢を反映したアイテムも興味深い。第2次大戦中の物資統制によって金属のボタンやステッチが省かれている40年代のジーンズやジャケット、上下デニム姿でホテルのチェックインを断られた歌手のために作られたという50年代のテーラードジャケットなどもある。
マニア垂ぜんの希少品を楽しむだけではなく、服飾の歴史を学び、デザイナーの創作活動の一端もうかがい知れる貴重な機会だ。
11月13日まで。一般500円。問い合わせは、文化服装学院(03・3299・2211)へ。
古着「服作りの参考書」…NIGOさんのコレクション展 - 読売新聞オンライン
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