パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断など、いわゆる“イメコン診断”をしてみても、なぜかしっくりこない……という人も多いはず。それは単純に「他人から見て似合う服」と「自分が着たいと思う服」が一致していないから。少しでも自信をもって「似合う服」を着こなすには、まずは自分のファッションに対する志向傾向=服装心理を知る必要が。心の中にある願望を知ることで、無理のない範囲でファッションを楽しめるようになるのだとか。今回はパーソナルスタイリスト・公認心理師でもある久野梨沙さん監修のもと、服装心理の重要性&5つの代表的なキャラ別おすすめファッションをお届け!
久野梨沙/パーソナルスタイリスト・株式会社フォースタイル代表取締役
服装心理学に基づくスタイリングの第⼀人者。大学で認知心理学を研究した後、⼤手アパレルメーカーでの商品企画職を経て個人向けスタイリストに。服装改善によるモチベーション UPを活用した研修や、服装を⽤いたイメージコントロールに定評がある。著書に『最高にしっくり似合う服選び』(学研プラス)など。ファッションコーディネートサービス「フォースタイル」:https://www.forstyle.biz/
“しっくりくる” 服選びの重要性とは?
パーソナルスタイリスト・公認心理師でもある久野さんが、服装心理に着目したきっかけとは?
「もともと大学で心理学を専攻していて、卒業後はアパレル業界で働きながら、同時に心理カウンセラーのお仕事もしていました。心理カウンセラーの視点から言うと、身だしなみとメンタルの状態はつながっているんです。服装にこだわらなくなるというのは、自分を大事にしなくなるということ。逆を言えば、服装を整えることで自分を大事にするようにもなる。面白いですよね。ファッションには心に働きかけるような力があるということを、おしゃれに興味がある人はもちろん、興味がない人にも幅広く伝えていきたいと思ったんです」
実際にパーソナルスタイリングでカウンセリングをしていくと、「自分に自信がもてない」という悩みを抱える人の多くが、“自分自身の気持ちの問題”に直面するのだとか。
「どんなにたくさんのイメコン診断を受けても、どれもしっくりこない“診断難民”に陥っている方も多くて。ボーイッシュなスタイルが似合うと診断されても、本当は自立したセクシーな女性像に憧れている、ということも。話を聞いていくと、根底にはいつまでも子ども扱いをしてくる親との関係に問題があったり……。自分が本当に着たい服から心の声を探ることで、コンプレックスから脱却するケースもあります。他人から見て似合う服を着るというだけでは、救われないところがあるんですよね。服装心理を理解することで、似合う服と心の声との折り合いをつけていくこともできます。さまざまな視点で判断していくことが、無理なくファッションを楽しむための近道なのではないでしょうか」
あなたはどのキャラ? 服装心理TYPE別・おすすめファッションをチェック!
ここからは、服装心理における代表的な5つのタイプの特徴と、各タイプのおすすめファッションをご紹介。下のチェック項目にいくつか当てはまるものがあれば、そのタイプの傾向をもつ可能性が大!
▼こんな人は……「堅気な風紀委員」TYPE かも
☑ こだわりのマイ定番スタイルが存在する
☑ 毎日のルーティンを崩したくない
☑ かっちり系のアイテムが好み
▼こんな人は……「無機質おしゃれ」TYPE かも
☑ 服を買う前に洗濯表示はマストでチェック
☑ オンラインショッピングの比較検討が好き
☑ 着回しや2wayといった言葉に弱い
▼こんな人は……「母性全開おしゃれ」TYPE かも
☑ 服を擬人化することがある(「この子」など)
☑ ショッピングで店員さんとおしゃべりするのが好き
☑ 服選びは着たときの気持ちよさを重視
▼こんな人は……「刹那的に輝くファッションオタク」TYPE かも
☑ 人とかぶるのが嫌! トレンドは常に最先端
☑ オーダーメイドや限定品、古着が大好物
☑ “ビビッ”とくれば、何かと理由をつけて購入
▼こんな人は……「おしゃれコンプレックス」TYPE かも
☑ 人からどう見られるかを常に気にして生きている
☑ 「これ、売れてます!」「マストバイ」に弱い
☑ 人気女子アナのファッションを参考にしている
【自分ルールを貫く、堅気な風紀委員 TYPE】
こんな人は……「堅気な風紀委員」TYPE かも?
☑ こだわりのマイ定番スタイルが存在する
☑ 毎日のルーティンを崩したくない
☑ かっちり系のアイテムが好み
「規律性」が高いのがこのタイプ。他人には口が出せない自分だけのルールがあり、こだわりの強い人が多い。「私はパンツしか履かないの」「私はタイトスカートしか似合わないから」など、理屈ではないマイルールが存在。ひとつのファッションスタイルが決まると、ルーティンのように繰り返し着続ける。性格としては、頑固と言われやすい傾向が……。
信頼しているファッションブランドが決まっていて、そのブランド以外ではあまり買わない。「今季はこのブランドにトライしてみようかな」といった発想はなく、シーズン初めにまとめて購入するなど、購買行動もきっかりと決まっている。
このタイプのおすすめアイテムとしては、「ずっと同じスタイルで着続けたい」という願望をかなえる「トラディショナル・ベーシック」なもの。性格上、基本的にかっちりとした服装を好む人も多いため、ジャケットなどのフォーマル感の強いアイテムがしっくりくるはず。チェック柄のジャケットやきちんと系のセットアップもGOOD!
【まるでAI?! 無機質おしゃれ TYPE】
こんな人は……「無機質おしゃれ」TYPE かも?
☑ 服を買う前に洗濯表示はマストでチェック
☑ オンラインショッピングの比較検討が好き
☑ 着回しや2wayといった言葉に弱い
「合理性」が高いのがこのタイプ。服選びはとにかく“コスパ・機能性・着回し“を最重要視! 見た目のデザインが気に入ったとしても「いや、でもちょっとこれ自宅で洗いづらいしな」「となるとクリーニング代もかかるしな」など、頭の中で費用対効果を考える傾向が。極端に言えば実物を見たり着たりせずとも、スペックのみで判断できるため、オンラインショッピングも得意中の得意。
ビジネスシーンではシステマチックな対応を好むあまり、周りからは「もしかして、この人AI?」と思われている可能性も……。着回しを重視するため、ワードローブはベーシックカラー一辺倒になりがち。毎日違う服を着ているのに雰囲気が変わらないというのがちょっとした悩み。
このタイプのおすすめアイテムとしては、着回しも取り扱いも楽ちんという点はキープしつつも、「ベーシック+α」なものをチョイスすると◎。色・質感・デザインのうちどれかひとつでいいので、普段とは違う印象のアイテムを投入してみて。洗いやすいからいつもコットンばかりという人ならウォッシャブルなウールやカシミアを探してみたり、いつもネイビーになってしまうという人なら同色系のパープルを選んでみたり。デザインなら袖口がさりげなくフレアになっているものなど、ワンポイント効いたアイテムにTRY!
【母性全開おしゃれ TYPE】
こんな人は……「母性全開おしゃれ」TYPE かも?
☑ 服を擬人化することがある(「この子」など)
☑ ショッピングで店員さんとおしゃべりするのが好き
☑ 服選びは着たときの気持ちよさを重視
「愛着性」が高いのがこのタイプ。人に対しても服に対しても、いわゆる“情が深い”人。服を擬人化するという特徴があり、「最近、この子をお迎えしたの(=最近、このアイテムを買ったの)」といったユニークな表現も多い。ファッションはおもてなしであるという感覚を備え、服選びは自分の気持ちだけでなく「誰と会うときに着るか」を意識。「今日は部下と面談だから、優しげに見える服を着ようかな」など、人に対してサービス精神旺盛なところが魅力的。
ファッションをひとつのコミュニケーションとして考えているところがあり、服を買うときは絶対に対面。店員さんとおしゃべりしながら、そのアイテムがもつストーリーを理解したうえで購入を決める。ひとつひとつのアイテムに自分なりの思い出が詰まっているからか、なかなか服を処分することができない。口癖は「だって、もったいないんだもん」。また、服との距離が近い分、触り心地を重視する傾向が。しゃべりながらずっと服をなでているといったしぐさもみられる。
このタイプのおすすめアイテムとしては、「ふわふわの触り心地で心が満たされる」上質な素材のニットや、物づくりの過程にストーリー性のあるもの、生産者の顔が見えるアイテムなどがGOOD。愛着をもてばもつほどケアも入念になり、長く着ようとする気持ちも生まれるので、結果コストも回収できる&サステナブルにもつながるはず。
【刹那的に輝くファッションオタク TYPE】
こんな人は……「刹那的に輝くファッションオタク」TYPE かも?
☑ 人とかぶるのが嫌!トレンドは常に最先端
☑ オーダーメイドや限定品、古着が大好物
☑ “ビビッ”とくれば、何かと理由をつけて購入
「独創性」が高いのがこのタイプ。アパレル業界に多く生息し、ファッションはオンリーワンであることを生きがいとする。新しいものを取り入れる才能はピカイチで、トレンドもかなり早い段階でキャッチ。人とかぶることを嫌がるため、自分が着ていた最旬アイテムを他の人が着るようになってくると、途端に興味を失ってしまう。個性的なデザインのものが好きで、「変わってるね」は褒め言葉。新進気鋭のブランド、オーダーメイドや限定品、古着も大好物!
“ビビッ”とくるものがあれば、何かと理由をつけて購入。「これは自分への○○祝いに」「つらい○○を乗り越えるために先にご褒美買い!」といった、買い物を正当化させる理由を常にストック。ある程度のファッションスキルは備えているものの、クローゼットにはトレンドの服がどっさり。フリマアプリやリサイクルショップで手放すことも多いのでは?
このタイプのおすすめアイテムとしては、「(普遍的な要素を持ち合わせた)コンテンポラリーなムード」を漂わすもの。アシンメトリーなどの変形タイプ、オブジェのようなアーティスティックなデザイン、目を引くインパクトがありながらも長く愛せるアイテムが◎。また、クローゼットにあふれるたくさんの主役級アイテムを生かすような、ベーシックな脇役アイテムも意識的に取り入れるとよさそう。
【おしゃれコンプレックス TYPE】
こんな人は……「おしゃれコンプレックス」TYPE かも?
☑ 人からどう見られるかを常に気にして生きている
☑ 「これ、売れてます!」「マストバイ」に弱い
☑ 人気女子アナのファッションを参考にしている
「一般性」が高いのがこのタイプ。パーソナルカラー診断や骨格診断といった、いわゆる“イメコン診断”を好むのが特徴で、「自分が人からどう見られるか」を常に気にして生きている。服選びは、周囲から浮かないことが第一条件。口癖は「私、おかしくないですか?」。雑誌やウェブメディア、SNSも網羅しているが、ひとつひとつの情報に振り回されやすい傾向も。最先端のトレンドキーワードよりも「これ、売れてます!」「マストバイ!」といったキラーワードに弱い。
自分を取り囲む環境が変わるとカメレオンのように変身するという特徴もあり、職場やパートナーが変わるとがらっと雰囲気を変えることがある。環境のしばりがなければ、基本的には極ベーシックで普遍的なアイテムを好む(アクセントがあると怖くて着られない!)。いわゆる“女子アナ”チックな、知的でフェミニンなスタイルをお手本にする人も多数。
このタイプのおすすめアイテムとしては、「自信をもってどこでも着ていける、一枚でサマになる」服。パッと着て即キマるようなシルエットの美しいワンピースは安心感を生んでくれるはず。ベーシックカラーばかりだと地味な存在になってしまうので、さりげなくきらめくアクセサリーを着けてみたり、バッグや靴で差し色にトライしてみたり、プラスワンアイテムで自分らしい個性を取り入れるのがおしゃれの近道。
★25の質問に答えることで、より細かなタイプに診断してくれる「服装心理診断Lite」もぜひチェックしてみて!
illustrations: SHIORI CLARK
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