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今年、最も注目される日本ブランドの一つが、高橋悠介さん(37)が手がける「CFCL」だ。コロナ禍の2020年にブランドを設立し、昨年からパリコレクションにも参加する。環境に配慮した先進的な服作りが国内外で評価されている。(生活部 梶彩夏)
陶器のような丸みが面白いドレス、絞りのような突起のカーディガン――。昨秋、パリで発表した2023年春夏の新作は全てニットの服だ。
ブランド名は、「現代生活のための衣服」を意味する英語の頭文字だ。一般的に、ニットの服にはカジュアルな雰囲気があるが、「CFCLのニットドレスは靴を替え、ジュエリーをつければ、フォーマルな場でも着られる。1着で日常の様々な場面に対応できる」と高橋さんは胸を張る。
伸縮性があってどんな体形の人でも着られる。畳んでもシワにならず、洗濯機で洗える。そんな機能性も評価され、現在、国内外合わせて約210店舗で取り扱われる。うち半数以上が海外の卸先だ。
服の作り方もユニークだ。大学院時代に研究した、3Dコンピューター・ニッティングの技術を用いる。高橋さんが描いたデザイン画を、プログラマーがデータ化し、編み機に入力すると服ができあがる。裁断や縫製がほとんど必要なく、製造過程で切れ端が出ない。縫いしろがないため、着心地も良い。
素材はペットボトル由来の再生ポリエステルが中心だ。自社のホームページでは、シーズンごとに再生素材の使用率を公開し、原料の調達や製造の過程などで排出される二酸化炭素量も数値化する。
昨年7月には環境や社会に配慮し、公益性が高い企業に与えられる国際認証「Bコープ」を国内のファッションブランドとして初取得した。昨年10月の東京・表参道の店に続き、今年3月には八重洲に2店舗目を開く。
ブランド設立前は、約6年にわたってイッセイミヤケの紳士服のデザイナーを務めた。再生素材の活用、世界を舞台に戦うための視座などはそこで培った。師である三宅一生さんからは「社会のために服を作ることを教わった」。
服の過剰生産が社会問題となり、今は、本当に必要とされる服しか選ばれない時代という。「社会に求められる、価値あるものを作っていきたい」と力を込めた。
今注目の「CFCL」 高橋悠介さんに聞く…社会が求める服だけを - 読売新聞オンライン
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