
ニューヨークを拠点に活動するパタンナーでデザイナーの大丸隆平さんは、アメリカのファッション界で高い評価を得ている。数多くのデザイナーらのイメージを服にする卓越した技術が武器。一時帰国した3月末、話を聞いた。(編集委員 宮智泉)
パタンナーとは、デザイナーのイメージを服の設計図であるパターン(型紙)に落とし込んでいく専門職だ。服の形や着心地は設計図次第ともいわれる。アメリカでは、企画デザイン、パターン製作、サンプル縫製と分業化されている中、大丸さんは全ての工程に精通する貴重な存在だ。
「料理と同じで流れが重要。全工程を理解し、コミュニケーションを取りながら、デザイナーらの想像を超える服を作るのが仕事です」。手がけたパターンはのべ100ブランド、計2万着。この数字が信頼の高さを物語る。
家具を製造する家庭に生まれた。進学校に入学するも、高校1年で中退。「おしゃれをしたい、女の子にもてたい」と本を買い、家で服を作った。
東京の文化服装学院を経て、日本の有名ブランドで経験を積み、企業からの誘いで2006年に渡米した。
ニューヨークでアジア系学生ら4人で暮らす中、服の完成度の高さが口コミで広まり、若手デザイナーから次々に仕事を依頼された。のちに有名になるトム・ブラウンやアレキサンダー・ワンらだった。
「16歳から服を作っていたので、自然とデザインから縫製まで一貫してできた。企業で働き、技術に磨きがかかったのが評価されたのでしょう」
08年に会社を設立。13年、オバマ大統領2期目の就任式でミシェル夫人が着たコートドレスや、20年8月の米民主党大会で副大統領候補の指名を受けたカマラ・ハリスさんのパンツスーツを手がけ、注目を集めた。
15年に始めた自身のブランド「OVERCOAT(オーバーコート)」はユニセックスが特徴。代表作のコートは襟下から肩にプリーツをとることで様々な体形を網羅する。「性別や年齢、体形に関係なく着られる服をどこまで作れるか挑戦している」。素材は日本製にこだわり、尾州のウールや浜松のコットンなどを使う。
マンハッタンの職場で働くスタッフは全員日本人。「海外で日本人のものづくりに定評があるのは、先輩が築いた歴史があるから。次の世代のハブになれれば」と語った。
スタジオ兼イベントスペース「大丸製作所3」(東京都港区)で、6月25日まで限定ショップを開催している。
「服の設計図」100ブランド…パタンナー・デザイナー 大丸隆平さん - 読売新聞オンライン
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