2023年の初めに、「今年は新しい服やアクセサリーなどは5つしか買わない」と決めたとき、思い切ったことをしようとしているとは特に思わなかった。どちらかといえば、ハードルを下げすぎていないか心配したくらいだ。何せ、私はUK版『VOGUE』のサステナビリティ・エディターとして、いつも「より少なく、より良いものを買う」ことを提唱していて、新しいアイテムを5つも買えるとはずいぶん寛大なルールだと感じていた。
なぜ5着なのか? 2022年に発表されたHot or Cool Instituteのレポートによると、1年間の新しい服の購入を5着に抑えることができれば、世界平均の気温上昇を1.5°C以内に抑えられるという。つまり、ファッション業界の活動をカーボンバジェット(気温上昇を一定のレベルに抑えるための温室効果ガスの累積排出量の上限)内に収めるためには、世界中のすべての人が年間のファッション消費量をこの数字にまで減らす必要がある。このままほかの対策は何もとらずに行くのであればの話でもあるが。
下着、帽子、スカーフ、靴下などの小物はカウントされないが、バッグや靴は5点のうちに入る。人へのギフトや逆に誰かからプレゼントされたもの、新品よりも環境への負荷が少ないとされている中古アイテムもカウントされる。
イビザにあるサステナブル・ファッションセンター、Agoraの創設者のティファニー・ダークによって「The Rule of 5」と名付けられた今回のチャレンジのことを話した人たちのリアクションは、「えらいね」から「私には絶対無理!」までさまざまだったが、そのすべてから、自分がやろうとしていることがいかに難しいかを悟った。
まず、私は自分が習慣的にどれくらい買い物をしているのかを、正直に認めていなかったのだ。ファッションにまつわるさまざまな問題について日々執筆しているにもかかわらず、私もマーケティングの力や絶えず変化するトレンドサイクルには勝てない。私だってインスタグラムでかわいいドレスを着た人を見たり、みんなが赤い服を着始めたりすると衝動買いしたくなるし、無意識のうちに影響されていることが多い。
あっという間に達してしまった「5点」という上限
この業界で働いていると、本当にたくさんのイベントがあり、期待されているイメージに自分を合わせて演出しなければならないという暗黙のプレッシャーがつきまとう。
服を5着しか買わないと決めた1年サステナビリティ・エディターの私が自分に課した、環境のための小さなチャレンジ - VOGUE JAPAN
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