中学・高校の多くで採用されている学校制服。最近はジェンダーレス化の取り組みから女子生徒のスラックスを認める学校が増えるなど、慣例の見直しも進んでいるが、そもそも学生服自体の“不要論”も根強い。ファッションジャーナリストの南充浩氏が学生服業界を取り巻く内情についてレポートする。 【写真】デニム学生服も登場
* * * 先ごろ、埼玉県のさいたま市立大宮北高校が「準制服」としてユニクロ製品の採用を検討しているというニュースがあり、SNS上でもそれなりに大きな話題となりました。 日本のマス層がとにかく「ユニクロ」というブランドに敏感で関心が高いという背景もありますが、私はこの記事を目にしたとき、大したニュースではないと思いました。なぜなら、中学校・高校が制服でアパレル企業やブランド、デザイナーと提携するのは珍しいことではないからです。
学生服のブランドコラボは珍しくない
学生服メーカーのコラボは今に始まったことではなく、20年前にはすでに当たり前のように行われていました。 例えば、学生服メーカーのトンボは公式サイトによると「イーストボーイ」「オリーブ・デ・オリーブ」「ヒロミチ・ナカノ」などとのコラボブランドが現在6つあります。 またカンコー学生服も「ビームス」「エル」「ミッシェルクラン」「ジュンココシノ」などのブランドとコラボをしていますし、昔懐かしい学生服ブランド「スクールタイガー」で有名だった瀧本も「ベネトン」「ヒロココシノ」「カンゴール」などのブランドとコラボをしています。 ですので、学生服という業界ではブランドコラボはありふれた事例であり、今回の“ユニクロ制服”についての報道も、業界慣れしている私にとってはその程度のバリューしか感じませんでした。しかもまだ採用決定ではなく「検討」している段階に過ぎません。
ユニクロ制服が関心を集める理由
ユニクロ制服が大衆の関心を集めたのは、ブランド知名度の高さもさることながら、「制服の購入にかかる初回の費用は、約3分の1の価格に抑えられる」という点にあるでしょう。 世間には根強く「ランドセル廃止論」や「制服廃止論」があります。その最大の理由は購入費用の高さにあります。今回のニュースを受けて、顔見知りである学生服販売店の社長にも意見を聞いたところ、学生服のメリットとデメリットがあることを再認識しました。 この学生服販売店の社長が指摘する最大の問題点は、「学生服が年々10%ずつくらい値上がりし続けているところにある」と言います。 現在の学生服の相場は、1セット5万円ほどですが、これが10%値上がりすると5万5000円ということになります。5000円の値上がり額は相当に大きいと言わねばなりませんし、世間の物価上昇と合わせても値上げ幅は大きいといえます。
ユニクロも手掛ける「学生服」事情 安易な廃止は避けるべきだ(NEWSポストセブン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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