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年齢、性別、障害、文化の違いにかかわらず、誰もが使いやすい製品やサービス、情報などを指すユニバーサルデザイン。お金や多機能トイレ、自動販売機など、日常生活のあらゆる場面で用いられるようになっています。ファッションの分野で活動する団体が、仙台市の「ユニバーサルファッション工房繕」です。
活動を始めたのは「ユニバーサル」の言葉が広まってきた2000年。週に2回開く裁縫教室「バリアフリーつくろい塾」には30~90代の35人ほどの会員が集い、それぞれが着心地のよい服作りをしています。
10年ほど通い続ける最年長の阿部停五子(ていこ)さん(90)。着物を仕立て直し、自分ならではのコートを作ります。病院の待合室で身に着けていた手作りの洋服を絶賛されたこともあるそうで、他の会員から「希望の星」と一目置かれるような存在です。「ここに来るために足を鍛えたり、カイロプラクティックに通ったりしている」という阿部さん。「本当に楽しい」と笑顔が絶えません。
障害がありながらも、積極的に活動に参加している会員もいます。難病のプラダ・ウィリー症候群の佐藤裕子さんは、ミシンが大好き。彼女の活動ぶりは「こんなふうになりたい」と周囲から憧れの声も上がるほど。手先が器用で、仕付け縫いの部分も真っすぐ縫います。真剣なまなざしで作業に取り組む姿が印象的でした。
障害や高齢を理由として、ファッションを楽しめないと感じている人は多いかもしれません。しかし、そうではないありようもたくさんあると、つくろい塾の会員を見ていて感じます。会員はそれぞれの持ち味を生かし、互いに声を掛け合いながら、楽しそうに服作りに励んでいます。
工房繕は最近、腕をけがした人の服作りを担ったそうです。ユニバーサルファッションは、私たちの身近なところで必要とされています。
代表の佐藤萬里子さんは「目的を持って行く場所があることが、生きがいにもつながる」と話します。着心地のよい服作りとともに、居場所づくりも大切にしています。
「高齢だから、障害があるから」という理由で、我慢や諦めを強いるような社会状況はあります。年齢や障害の垣根を超え、ユニバーサルファッションという共通項で人とつながる居場所は、諦めずに自由に楽しく過ごせることの大切さを教えてくれます。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)
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