性別で区切らない「ジェンダーレス」の商品に取り組む企業が増えている。日本でも若い世代を中心に性別にこだわらない考え方が浸透してきていることやパートナーらと物を共有することを楽しむ動きが広がってきていることがあるためという。(並木智子)
◆クローゼットもすっきり
「無印良品」を展開する良品計画(豊島区)は、2019年から衣料品シリーズ「MUJI Labo」を男女兼用をうたい展開。女性があえて男性用のTシャツを着るなど着回しに変化が出る中、最小限の服で着回すことを目指し、性別、年齢、体形に関係なく着用できるようにした。取り扱い店舗は28店から38店に拡大。ゆったりとしたデザインやベージュなどの落ち着いた色味が特徴で、前ボタン付きのロング丈シャツは、女性はワンピース、男性は羽織りものとして着られる。
実際に共有しているカップルも。銀座で買い物中の会社員の田坂陸さん(27)は色の好みが合えば「彼女の帽子やバッグを借りている」という。一緒に来ていた会社員の堀佳寿美さん(27)も「大きめのサイズ感で着るのが好きなので、共有できたらいい」と話す。
男女兼用の服は、三陽商会(新宿区)も独自ブランド「LOVELESS」で、昨年9月からニットやコートなどを販売する。
◆1本で眉毛とひげに
化粧品業界でも兼用を視野に入れた商品が広がる。コーセーコスメポート(中央区)は20年9月からジェンダーレスの新ブランド「マニフィーク」の販売を開始。基礎化粧品だけでなく、メーク商品も展開する。ペンシルとマスカラは「ビアード&アイブロウ」と名付け、ひげにも使える。直近9カ月(昨年9月~今年5月)の売上高は前年同期比で1.5倍と好調だ。広報担当者は「特に若い男性は女性用化粧品を買うことに抵抗があまりない。今後はシェアコスメがもっと主流になると思う」と話す。
◆65%が抵抗感なし
CCCマーケティング(渋谷区)が16~79歳のT会員2061人を対象にした調査では、「身体的な性別とは異なる商品を購入したいと思うか」との問いに、65%が「積極的に購入したい」「良いものがあったら購入したい」と回答。同総合研究所の杉浦涼子さんは「性別を区別しない市場は今後伸びていくのではないか」とみている。
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