
■[若越 ひと物語]ヴィルジニー・ルフェーヴルさん 52歳
繊維王国・福井の生地に魅力を感じて福井市中心部に店を構え、洋服作りに携わる。「デザインや洋服でヨーロッパと福井をつなぎたい」と意気込む。
ショーウィンドーから見える店内で目を引くのは、かわいらしい女の子が描かれた洋服や雑貨。白色が基調の壁を背景に、赤や青色などの鮮やかな洋服が並ぶ。店は「幸運」「愛」を意味するフランス語「7amour(セットアムール)」と名付けた。来店客らに「ヴィヴィさん」と親しまれる。
■ルイ・ヴィトンの洋服のタグに記された「Made in Fukui」
フランス・パリ生まれ。世界で最も古いというファッション専門学校「エスモード・パリ」を卒業。ファッションブランド「KENZO(ケンゾー)」や「ルイ・ヴィトン」のデザイナーを務めた。
「福井」を知ったのは25年ほど前、パリでデザイナーの一人として参加した展示会だった。ルイ・ヴィトンの洋服のタグに記された「Made in Fukui」。どこだろう? 「JapanでもTokyoでもOsakaでもない、Fukui」。頭の片隅に文字がぼんやりと残った。
1999年に来日し、「エスモード東京校」で講師を務めていた頃、フランス料理店のシェフだった夫に出会った。県出身。あの「Fukui」だった。
2006年に結婚を機に福井に移住。翌年、福井駅近くの北の庄通りに「セットアムール」を開いた。「こぢんまりとした店が並び、パリで買い物をしているように感じられる通りの雰囲気にひかれた」
洋服はすべてオリジナルのデザイン。鉛筆や絵の具でデッサンし、勝山市内の工場などに出向いて生地を手に取って選び、店で自ら縫製する。「福井のポリエステルは自然の生地のようで安っぽくない」。とろみ感のある柔らかい生地で作ったブラウス、形がしっかりとしたトレーナー……。すべてに福井産のポリエステルを使う。
1980年代のパリをイメージしたというピンクや緑色などの鮮やかな色合い。着る人に思いをはせ、「人間性」も服に表現することを心がける。「色にはその人の個性を後押しするパワーがある」と力を込める。
「福井で100歳までデザイナーをやりたい。工場が多くて、東京や大阪よりずっといい」。工場で生地の生産者と言葉を交わし、店で市民らに洋服を見てもらう。「洋服を通して福井の皆さんとのコミュニケーションが増えた」。洋服の生産から販売まで多くの人と関われるのが福井の魅力だという。
夢は福井で次代を担うデザイナーを多く育てること。実現に向け、福井市の啓新高ファッションデザイン科で週2回、高校生を指導している。「福井で育てた若いデザイナーと一緒に、ファッションの世界でヨーロッパとの懸け橋になりたい」。自らの思いを福井の若者にも託そうとしている。(北條七彩)
KENZOやルイ・ヴィトンでデザイナー、繊維王国・福井で服作り「欧州との懸け橋になりたい」 - au Webポータル
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